【新聞:岩手版】衛生管理の基本徹底

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】衛生管理の基本徹底

[2022年10月1週号]

 【盛岡】八幡平市野駄で酪農を営む藤田貴良さん(47)は、乳質の維持や経営管理、規模拡大の功績が評価され、2021年にいわて農林水産振興協議会の「意欲ある担い手賞」を受賞した。衛生管理を徹底し、最新技術を使って乳牛を管理する。今後はさらなる経営の効率化を目指すという。

「“繁殖を制するものは酪農を制する”がモットー」と話す藤田さんと妻の麻奈美さん

 意欲ある担い手賞の受賞は同市の家畜関係者としては9年ぶり。藤田さんは「先輩方の指導のおかげ。努力が評価されてうれしい」と笑顔を見せる。

 高校卒業後、JAに勤務しながら実家の酪農を手伝い、酪農ヘルパーを兼務。「酪農経営を詳しく教えてくれたヘルパー先を手本に、専業農家になることを決めた」と話す。20年前は16頭だった実家の乳牛を、現在は搾乳牛約90頭を含む計160頭まで増やし、妻とヘルパーの計4人で飼育管理する。

 畜舎は毎日の清掃、消毒を徹底し、病気の発生を抑えているという。「病気は乳質が落ちる原因になる。基本的だが大事なこと」

 高品質な生乳を生産する農家に贈られる「岩手県乳質改善大賞」を2016年から6年連続で受賞し、「取り組みが実を結んだ」と話す。

 効率化を目指し、「発情発見機」を導入した。牛の行動をセンサーで24時間把握し、発情や病気を早期に発見できる。「早期に正確な判断ができるため、診療費は最低限で済む」と藤田さん。

最適な育成・繁殖へ

 今年は子牛の遺伝子評価技術を導入した。体質や能力を解析することで、最適な育成、繁殖が可能になるという。「社会情勢など制御できないリスクはあるが、できる努力をして安定経営に努めたい」と意気込む。


ページ上部へ