周年雇用の確保へ

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

周年雇用の確保へ

[2018年7月2週号岩手版]

【二戸市】「雇用の確保が地域の活性化につながる」と、今年4月17日に株式会社「馬場園芸」を設立した二戸市浄法寺町馬場の馬場淳(まこと)さん(28)。年間を通じての雇用環境をつくるため、ホワイトアスパラガス「白い果実」の栽培に取り組んでいる。

スプレーマムを収穫する従業員

 岩手県農業大学校花卉経営科を卒業後、就農した馬場さん。「普通に農業経営していくのであれば法人化はまだ必要ないかとは思ったが、幅広く販売していくには信用も大事」と株式会社を設立した。

 現在は、水稲2㌶、アスパラガス1.5㌶、スプレーマム20万本(ハウス16棟1200坪)を栽培し、水稲育苗(9千枚)も受託。従業員は9名(うちパート3人)で、春先の水稲の作業に始まり、6月から10月にスプレーマムを出荷する。

 

みずみずしく高糖度

 「地域の活性化のためには安定した雇用が必要」という馬場さんは、周年雇用を確保できる品目を模索。11月から4月まで栽培が可能で、既存のハウスを利用できるホワイトアスパラガスの栽培を始めた。

「自分だけでなく地域のために」と話す馬場さん

 ホワイトアスパラガスは、スプレーマム用のハウス200坪分で栽培。スプレーマム栽培で利用する遮光カーテンを活用し、露地栽培での土中を再現した。「アスパラに余分なストレスがかからないので苦みが少ない。通常4度~6度の糖度が8度くらいになるし、ハウス内で栽培するので湿度が高くみずみずしいのが特徴」と話す。

 東京の商談会に出向きPRに努める馬場さん。レストランなどへ直接販売もする。「将来的には、仲間を増やしてホワイトアスパラガスを浄法寺の特産品にしたい。そうすることで、雇用が生まれ、町の活性化にも繋がる」と今後の目標を話す。


ページ上部へ