[2017年7月2週号岩手版]
【田野畑村】ギョウジャニンニクとニラを交配したギョウジャナの栽培に取り組む田野畑村和野の畠山清一さん(72)は「いわて行者菜生産グループ」の許可を得て3年前に栽培を開始。現在、県内の生産者20人中、宮古地域で唯一の生産者だ。ニラよりもビタミン類が豊富なギョウジャナを多くの人に取り入れてもらおうと地元の産直に出荷し、魅力を発信している。
希少な山菜でもあるギョウジャニンニクを手軽に食べられるようにと開発されたギョウジャナは、山形県が主な生産地。畠山さんは、好んで食べていたギョウジャニンニクを手軽に食べたいとの思いでギョウジャナ栽培を始めた。
ギョウジャナは6月に苗を植え、翌年5月上旬から9月まで収穫が可能。一度植えた株と圃場は更新まで約5年と栽培年数が長く、手軽にギョウジャナを取り入れることができたという。
畠山さん方では、5月中旬から出荷が始まっており、毎朝涼しい時間帯に鎌で1株ずつ手刈りしている。収穫後は一本一本丁寧に土や露を拭き取り、専用の袋に入れて同村の「産直プラザ思惟大橋」に出荷する。
畠山さんは「今年は収穫2年目。昨年より順調に育っています」と話し、「葉物なので朝に収穫し、新鮮なものを店内に並べています」と適期に収穫したギョウジャナを新鮮なうちに届けている。
観察徹底 病気を早期発見
病気に強いとされるギョウジャナでも「一度発生すると一気に広がる恐れがあるので毎朝よく観察しています」と早期発見に努め、拡散させないことを心がける。また、商品に傷をつけないように気を配る。
香り豊かなギョウジャナは餃子や炒めものなどに適していて、冷蔵保存で10日ほど日持ちし、食材を有効活用することができる。
ギョウジャナの知名度は低く、普及率の伸び悩みが今後の課題で「ニラと同様に肉・野菜炒めなどの料理に使えるので、ぜひ食べてみてほしい」と畠山さん。
今後について「ギョウジャナ栽培は初心者なので手探り状態です。自分のペースで栽培しながら、より多くの方にギョウジャナの魅力を伝えていきたいです」と話している。