[新聞:岩手版]Uターン就農で奮闘 株の大きさ試行錯誤で効率化目指す

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

[新聞:岩手版]Uターン就農で奮闘 株の大きさ試行錯誤で効率化目指す

[2016年5月4週号 岩手版]

2016-05-04-71

「サイクルをうまく回し増棟したい」と話す北村さん

【久慈市】「土地も園芸施設も何もないところからのスタートは不安でした」と就農当時を話す久慈市侍浜の北村学さん(29)。Uターン就農してから3年目となり、地元の生産団地の一部を譲り受け60坪の園芸施設16棟にホウレンソウを栽培。作業効率を高め増棟と品質向上を目指している。

就農前に東京で働いていた北村さんは、母親の体調不良をきっかけに地元に戻ることを決意した。実家は非農家で、未経験の農業を選んだ理由を「後継者不足の報道に、何かを自分で始めたいと思っていた私には、その状況がチャンスだと感じました」と話し、普及センターなどからアドバイスを受け岩手県立農業大学校に進学した。

ホウレンソウ栽培ついて「農大生時代に花き経営科を専攻しましたが、アルバイトでホウレンソウ栽培を手伝い、約一カ月サイクルで栽培・出荷が可能で、季節ごとに出荷する花きとは違い新鮮で興味が沸きました」と話す。久慈市推奨の農産物がホウレンソウだったこともあり栽培を決めたという。

土地も園芸施設もなかった北村さんは「名刺を持って情報収集に励んだり、行政機関から情報提供を受けたりと、作付け前が一番大変でした」と話す。さらに、実際に作付けした1年目は雑草に負けたことで、ホウレンソウが針金のように細くなるなど、栽培の難しさを経験した。

栽培2年目には対策として土壌消毒を行い、その結果、品質も向上。「農業大学校で土壌学や肥料学を学び実践へ移すことができています」と効果を実感している。

また、作業効率を図る工夫にも取り組む。「植える間隔を広げ、株の重さを増やし一株30㌘以上にすることで袋詰めなどの手作業の時間を省けるのでは」と模索中だ。 

今年は、作業に父、姉、叔母も加わり、昨年よりも数量増を見込み、冬季栽培も検討している。

「まだ、ハウス全棟に植え付けをしていないため、効率的な作業のノウハウを着実に掴みたいです。収穫のサイクルをうまく回し増棟していきたい」と意気込みを話している。


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