[2024年2月8日]
県内の園芸施設共済加入者に、 被害の状況や園芸施設共済加入を勧めるポイントをお聞きしました。ハウスの被害に備えて、園芸施設共済に加入しましょう。
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「リスク管理を徹底したい」
八幡平市・本堂尚基さん(32)
経営内容: ホウレンソウ、水稲(育苗)、ハウス6棟(7・3㌃)
29歳のときに実家の農業を継ぎ、現在は兼業農家として、主に水稲を栽培しています。園芸施設共済には自分の代になる前から加入し、不測の事態に備えています。
2023年4月、強風でハウス1棟の屋根面のビニールが破けました。今まで保険の対象になるような被害を受けたことがなかったので驚きましたね。
水稲の育苗期の被害だったので、すぐにNOSAIへ連絡しました。現地評価から共済金の支払いまで、素早い対応でとても助かりました。
初めての大きな被害ということもあり、ハウスの復旧の流れなどをNOSAIの職員さんにいろいろと相談しました。気軽に話せて安心できたのも、加入していてよかったことのひとつです。 近頃は地球温暖化で予測しにくい気候が続いているので、安定した農業経営を続けるためにも、リスク管理を徹底したいと思っています。何事も日頃の備えが大切ですね。
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「少しでも不安を取り除くために」
大船渡市・廣澤友一郎さん(74)
経営内容:ガーデンシクラメンなどの花き、ハウス9棟(27・9㌃)
元々、花が好きだったので1990年に兼業農家として花き栽培を始めました。就農当初は大船渡市農協のハウスで栽培していましたが、96年に専業農家になりました。園芸施設共済にはそのころから加入しています。
ハウスは山の麓にあり、周囲に山からの風を遮るものがありません。ビニールが被害を受けたことがありますが、ビニールの張り替えにかかる費用の一部に共済金を充てることができて助かりました。
もし、パイプがゆがむなどの大きな被害を受ければ、花までダメになってしまいます。そのときに、花の損失やハウスの再建費用なども全て自分で賄おうとすると大きな出費になります。大きな被害を考えると、園芸施設共済の加入は必要だと思います。
年々、春一番のような低気圧や台風の到来が早まっているような気がします。少しでも不安を取り除くために園芸施設共済の加入を続けていこうと思います。
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「素早い対応が助かる」
奥州市・菅野信夫さん(76)
経営内容:水稲2㌶、育苗ハウス1棟(1・4㌃)、園芸用ハウス2棟(7・7㌃)
2008年に勤めていた会社を退職し、現在は育苗用ハウス1棟、園芸用ハウス2棟を利用して水稲とピーマンを栽培しています。
20年12月に雪が3日間降り続き、雪の重みで育苗用ハウスが倒壊しました。除雪が間に合わず、ハウスの周りに置いていた肥料用のもみ殻に積もった雪と、屋根面から側面に落ちた雪がハウス全体を覆い、細いパイプでできたハウスは簡単につぶれてしまいました。
園芸施設共済に加入していたので、すぐにNOSAIに連絡しました。まだ雪が降る中、職員が確認に来てくれて安心しました。確認が早く、ハウスの解体の予定をすぐに立てられたので、翌年の育苗に間に合いとても助かりましたね。
現在は、ハウス内に天井のパイプを支える突っ張り棒を等間隔に4本設置して、屋根面がつぶれないように補強しています。 自然災害は毎年のように発生していて、避けては通れないと思います。そのようなリスクに備えるために、園芸施設共済はなくてはならないものです。これからも、園芸施設共済への加入で備えを万全にして、自然とうまく向き合いながら農業を続けていきたいですね。
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「特約付けて継続加入」
北上市・伊藤淳さん(61)
経営内容:水稲41㌶、リンゴ2・1㌶、育苗ハウス7棟
40年ほど前に実家で就農し、水稲とリンゴを栽培しています。2022年12月に建てた育苗ハウス1棟は、風当たりが強い場所だったことや建てたばかりでパイプが抜けやすかったこともあり、小まめに様子を見て気にかけていました。
昨年4月、かなりの強風だったのでハウスを見に行くと、パイプが浮いていました。近所の農家仲間が駆け付けてくれましたが、危険で近づけず、パイプが次々と抜けてハウスがつぶれる様子を目の当たりにしました。苗の被害は少なく済みましたが、自然の力に本当に驚きましたね。
園芸施設共済に加入した際に撤去・復旧費用特約を付けたので、共済金のほかに撤去費用を受け取り、復旧費用のほとんどを賄えたので助かりました。建て替え後は、パイプが抜けないように補強して防風網を設置しましたよ。
保険金を受け取らないことが一番ですが、必要経費だと考えて特約を付けるなどして、しっかりと被害に備えた方がいいと思います。営農をしている以上、現状維持ではなく、常に上を向いていきたいですね。今後も加入を継続して、安心して農業を続けたいです。
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「栽培を続けるために」
山田町・越田正一郎さん(80)
経営内容:水稲40㌃、キュウリなど野菜30㌃、ハウス4棟(5㌃)
ビニールハウス4棟で、春ブロッコリーや水稲の育苗のほか、キュウリやナス、トマトを作付けて、冬にかけてはホウレンソウを栽培しています。
以前、大雪でハウス10棟が全壊する被害に遭ったことがあり、2018年に園芸施設共済に加入しました。NOSAI職員から制度の説明を受け、掛金の試算をしてもらい、自分の農業経営に合った補償内容を選択できました。加入を迷っている方には、NOSAIに相談することをおすすめしますよ。
20年3月に、強風でハウス1棟のビニールが破損したときは、すぐにNOSAI職員が被害の確認に来たので、早めにビニールを張り替えて、キュウリ苗の凍霜害を防ぐことができました。
共済金が支払われるまでの期間が短く、資材費を賄えたのでとても満足しています。園芸施設共済のおかげで栽培を続けることができました。
いつ、どこで災害が起きるか分かりません。年間を通してハウスを稼働させるので、これからも園芸施設共済への加入を続けて、災害に備えながら栽培に励みたいです。
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「安心して営農できる」
二戸市・藤原進さん(60)
経営内容:キク1・5㌃ほか、ハウス6棟(7・7㌃)
ビニールハウスでキクやトルコギキョウなどの花きを栽培するほか、冬場は流通量が減る葉物野菜として、暖房を使ってリーフレタスなどを出荷しています。通年でビニールを被覆しているので、突風や大雪の被害に備えるために、父の代から10年以上加入しています。
近年頻発している気象災害が、営農する上で一つの不安要素です。これまで大きな被害を経験したことはありませんでしたが、2023年3月に突風が吹き、ハウス1棟のビニールが裂けてしまいました。ハウスは山に囲まれているので、強風の影響は少ないだろうと油断していました。実際に被害を受けて、自然災害は突然起こることを痛感しましたね。
作物を守るだけではなく、ハウスの上を通る電線への二次災害を防ぐためビニールを早く片づける必要がありましたが、NOSAIに連絡したところ、すぐに被害確認に来てくれたので、復旧作業をスムーズに始められました。
今後も安心して営農するため、自分でできる対策に加え、園芸施設共済の加入を続けて万一の事態に備えていきます。