[2025年9月3週号]
【中部】遊休農地などを活用する「北上ひまわり畑プロジェクト」に2019年から取り組む北上市和賀町の佐藤孝志さん(48)。収穫したヒマワリからは、油を精製し販売する。また、小麦との輪作で、連作障害対策としての効果も試験中だ。ひまわり畑を観光資源に、地域の活性化を目指す。

「収穫作業をしやすくするため、密苗することで背丈を150㌢㍍程度に抑えている」
小麦の連作障害を回避 種を精油し返礼品にも
プロジェクトは、東京農業大学の学生が考案したものだという。今年は市内8カ所の遊休農地など3.5㌶でヒマワリを栽培している。プロジェクトを成功させるため、佐藤さんが有志を募り異業種のメンバー6人がそれぞれの得意分野を生かして取り組む。
「ヒマワリは播種後約60日で開花する。7月下旬から9月末まで花が見られるように、圃場ごとに時期をずらして播種した」と佐藤さん。開花後約90日間は、圃場内で種を乾燥させる。10月中旬に汎用コンバインで収穫する予定だ。
小麦10㌶を栽培する佐藤さん。小麦の収穫後に試験的にヒマワリを播種した。「ヒマワリの種を収穫した後、葉や茎を圃場に戻してすき込んだ。緑肥になって、小麦の連作障害が起こりにくいことがメリット」と話す。

「ひまわり油140㌘1,080円(税込み)」
コンバインで刈り取ったヒマワリは、地域の就労継続支援B型事業所と連携して種や葉、茎に選別する。油への加工は、一関市の食用油脂製造業者に製造を依頼。低温圧搾方法で丁寧に精製されることで、他の食用油と比べ、さらりと軽く、食材の味を引き出してくれるようなクセのない味わいだという。北上市のふるさと納税返礼品にも採用されている。
「社会に農業への関心を持ってもらえるような取り組みをしたい」と佐藤さん。「観光客が地域の温泉に宿泊し、飲食店で食事をすることで、地域経済の活性化につながる。ひまわり畑がきっかけになってほしい」と期待を込める。