[2018年岩手版11月2週号]
【一関市】いもの子会は、古くから一関市民に親しまれている。この会に欠かせないサトイモを栽培しているのが、同市萩荘南沢の南沢里芋生産組合(蘓武博史代表=68歳)。ねっとりとした食感と煮崩れしにくいことが特徴で、調理もしやすい土垂里芋。現在、出荷の最盛期を迎えている。
同組合は、一の溺死が実施する農村地域活性化モデル支援事業を利用し、2009年からサトイモの栽培を始めた。南沢地区の生産者12人で構成、計50㌃の圃場で土垂里芋を栽培する。
11年からは、「里芋オーナー制度」を開始した。加入すると、栽培管理を同組合へ委託し、収穫したサトイモを持ち帰ることができる。仙台や東京、大阪など70人ほどのオーナーがいるという。同組合で事務局を担当する蘓武泰雄さん(53)は「単なる販売だけではなく、オーナーさんとの交流が楽しい。県外から来たお客さんから『おいしい』と言ってもらい自信につながった」と笑顔を見せる。
今年の夏は、猛暑の中での農作業になった。蘓武代表は「脇芽をそのままにしておくと芋が丸くならないので土寄せや芽欠きを行うが、とにかく暑くて大変だった」と振り返る。
販売時期を長くしたい
土垂里芋は、地元産直「寄ってがえ」で11月中ごろまで販売する予定だ。寒くなると味が落ちてしまうため、「寒くなる前に味わってほしい」と泰雄さん。また、同市が主催する「磐井河原いものこ会」に使用するサトイモにも採用され、参加者から好評を得ている。
今後の目標について泰雄さんは「真空パックの加工場を作り、土垂里芋の販売時期を長くしたい」と意気込む。