[2019年2月2週号]
【盛岡】県のオリジナル水稲品種としてデビューした「銀河のしずく」。盛岡市永井の兼平定さん(73)は2016年から試験栽培を始め、昨年は作付面積8㌶のうち6㌶で作付けた。施肥量を中心とした栽培管理に励み、食味などを審査するコンテストで最高賞を受賞。今後はさらなる栽培技術の向上を目指す。
兼業農家だった兼平さんは、03年に本格的に就農。現在は、地元の農事組合法人となん(熊谷健一代表理事)の筆頭理事として、組織運営でも活躍する。
土づくりを徹底
「土壌に窒素分が多いと収量は増えるが、米のタンパク質が多くなり食味が落ちる。肥料の窒素分を抑え、食味を落とさないことを意識した」と話す兼平さん。JAの指導を順守し、窒素分の少ない肥料を使用するなど、土づくりを徹底した。
「長年作付けしている圃場は、土壌に窒素分が多い」と圃場に合わせて施肥量を調整。また、土中に余分な窒素を残さないために、追肥は行わなかった。
昨年の収量は、10㌃当たり510㌔。「生育は『ひとめぼれ』に比べて早い。収量は少ないが、イモチ病や倒伏にも強いので、栽培しやすい」と分析する。
販売会で手応え
兼平さんは、昨年開催された「銀河のしずく」頂上コンテスト(岩手県主催)に出品。食味など6つの項目の審査で、56点の応募の中から最高賞に選ばれた。農事組合法人となんの南野正直統括管理部長は「栽培に励む構成員の手本と励みになった」と喜ぶ。
1月には東京のデパートに出向き、銀河のしずくの試食販売会に参加した兼平さん。「おいしいという声が多く、好評だった」と手応えを感じている。
今後について「まだデビュー間もないこともあり、どの生産者も栽培については手探り状態。積極的にチャレンジして、栽培技術を自分のものにしたい」と意気込む。