【新聞:岩手版】ドローン活用に期待

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】ドローン活用に期待

[2022年3月1週号]

 【東南部】遠野市で先ごろ、スマート農業の推進に向けて、地域の担い手となる若い世代と企業を結びつける意見交換会がオンライン形式で開かれた。当日は、同市の若手農家3人、地元企業3社、関係機関が出席し、農業用ドローン(小型無人機)の活用方法などで意見を交換した。

 意見交換会は、農業を起点にドローンの利活用を推進するNTTイードローンテクノロジー社(田辺博代表取締役社長)と、社会事業コーディネーターとして企業や行政、地域をつなぐ事業を推進する一般社団法人RCF(藤沢烈代表理事)との協力で開催された。

各地でデモンストレーションが企画・実施されている(写真提供=NTTイードローンテクノロジー社)

 同市では、2021年度に1,908㌶で水稲(主食用・加工用・発酵粗飼料用・飼料用)が作付けされている。そのうち、各生産組織や防除組合などが無人ヘリコプターで約220㌶、農業用ドローンで約162㌶を防除。残りの約8割は動力噴霧機などの地上防除で農薬が散布された。

農薬散布以外の用途

 NTTイードローンテクノロジー社の山﨑顕代表取締役が、農薬散布以外にも肥料散布や米の直播栽培など、ドローンの活用方法のほか、同社で販売する機体を紹介。「機体は女性でも扱えるほど軽量化された。北海道や青森県では、女性だけで構成された農薬散布請負チームが活動している」などと説明した。

 農産物の集荷・販売に取り組む地元企業は、市内の農家の現状を「お客さまから、高齢を理由に農業をやめるかどうか迷っているという話を聞く。ドローンなどを導入して、農薬散布をしてもらえないかという相談もある」と報告した。

 市内でネギやナガイモなどを栽培する中平知宏さんは「スマート農業の導入で作業の効率化を図り、子どもたちに農業がかっこいいものだと思ってもらえればうれしい」と話した。


ページ上部へ