[2020年9月1週号]
盛岡市 浅沼 和弘さん(57)
父の代から50年近く長ネギの栽培を続けています。徐々に面積を増やしてきました。
漁業では、その年の生産金額が基準を下回った場合に補てんされる制度が既に確立していると聞いたことがあります。数年前にはネギの価格が低迷したことがあり、農業にもそのような制度があればと思っていたところ、収入保険が始まることを知って加入を決めました。
昨年は10月中旬の台風の強風で、収穫間近の長ネギ約40㌃分が倒伏しました。可能な限り出荷しましたが、それでも収入は通常の6割程度となりました。
収入保険には、減収の度合いによって保険金を前払いするつなぎ融資という制度があるので、すぐに申請したところ11月中に口座へ振り込まれました。年末の各種支払いに充てることができ、安心したのを覚えています。春先の保険金の支払いも早かったですね。
近年は想定外の自然災害が毎年のように起こるので、収入保険は必要だと思います。被害を受けて収入が減ってしまっても、春に使った種苗費や肥料代などの支払いが無くなるわけではありません。
加入要件の青色申告は敷居が高いと思うかもしれませんが、簡易帳簿での記帳であれば、白色申告と比べてもそれほど難しくないと思います。自然災害のほか、農業経営上のリスクが気になる人には、一度検討することをおすすめしたいです。
▽長ネギ1.5㌶、レタス20㌃など