[2019年11月3週号]
【胆江】ナバナに似た外観とアントシアニンを含む赤紫色の茎が特徴の野菜「コウサイタイ」を、農閑期の育苗ハウスを活用して栽培する奥州市水沢の佐々木正幸さん(68)。なるべく農薬を使用しないで病害虫の被害を防ぎ、ハウスの開閉によるこまめな温度調節など、管理を徹底している。
佐々木さんは勤めていた会社を2008年に退職し、農業をしていた母の手伝いを11年から始めた。現在は佐々木さんが中心となり、水稲114㌃を栽培。育苗用ハウス1棟(31坪)を活用して、夏はキュウリやミニトマト、冬場はコウサイタイを栽培する。
「栽培している方が少ない野菜なので、分からないことが多い。失敗した経験を次に生かしている」と佐々木さん。以前は、病虫害で収穫できないこともあったという。
「葉物野菜には虫がつきやすい。農薬を使うことで被害は減るが、お客さんには安心して購入してもらいたい」と農薬の使用は必要最低限にとどめる。除草は手作業で行い、ハウスの開閉による温度管理などを毎日欠かさない。
1株から20本収穫
佐々木さんは、11月ごろから定植を開始し、1月から2月にかけて収穫を予定している。「1株の苗から20本くらい収穫できる。収穫はすべて手摘み。農業は天候に左右されるが、今年もうまく育ってほしい」と話す。
コウサイタイは、市内の産直などへ出荷している。「おひたしにして食べるのがお薦め。最初はコウサイタイの見た目に驚くと思うが、一度手に取って食べてもらいたい」とPRする佐々木さん。「冬の収入源になるコウサイタイの栽培をこれからも続けたい」と話す。