【新聞:岩手版】効率重視の米作り

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】効率重視の米作り

[2025年5月1週号]

 【中部】水稲(「ほむすめ舞」42㌶、「にじのきらめき」50㌶)を作付け、販売する花巻市湯口の「合同会社米屋・重右エ門(畠山祐之(まさゆき)代表=67歳)」では、露地プール育苗に取り組む。作業効率を上げるため、小型無人機(ドローン)で除草剤散布をするほか、節水型乾田直播栽培への切り替えを検討している。

「露地プールに敷いているビニールは毎年交換して漏水対策をしている」と畠山代表

 露地プール育苗で運搬しやすく

 「20年以上前から露地プールで育苗している。露地プール育苗はトラックでの搬入、搬出がしやすい。また、苗が焼ける心配がない」と畠山代表。就農した当初はハウス内で育苗していたが、トラックの動線が確保できないことに加えて、暑い日が続くと苗が焼けるほか、伸びすぎてしまっていたという。

 露地プールは全部で五つあり、総面積は25㌃。1つあたり全長75㍍、幅3.3㍍の育苗プールは、育苗器に入れて発芽させた1024枚の育苗箱がぴったりと収まるように設計されている。

 3月に浸種をして催芽、4月に播種して出芽させ、出芽後は育苗箱を露地プールに並べた。並べ終えた後は水稲育苗用の被覆材をかぶせて、芽を大きく育てるという。畠山代表は「被覆資材をかぶせると保温効果があり、春先の降雪でも影響を受けない」と話す。露地プールは10㍍の木板の柵で囲う。排水対策として約15㌢の隙間を柵と柵の間に設けている。畠山代表は「露地であればトラックの動線を確保できて、作業効率が上がった」と話す。

「フィールドマネージャー」の管理画面

 ドローン防除など機械化を推進

 「今年から除草剤散布はドローンでしているほか、栽培管理システムXarvio(ザルビオ)の衛星システムのフィールドマネージャーを導入した」と畠山代表。導入したシステムを使い、遠方の田んぼはタブレットで管理している。今後は節水型乾田直播栽培への切り替えを検討している。畠山代表は「作業を省力化しながら、栽培面積を増やしていきたい」と力を込める。


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