[2019年8月3週号]
【盛岡】紫波町佐比内の佐々木正春さん(73)は、ラグビーの指導者として活動しながら、20㌃の畑でブドウ栽培に汗を流す。
「子どもたちには、ラグビーを通して、心身ともに成長してほしい」と佐々木さん。地元のスポーツ少年団「紫波オックスラグビースクール」で小学生約32人を指導するなど、地元ラグビーの強化に力を入れている。
佐々木さんは、高校時代にラグビーを始めた。教員になった後、県立黒沢尻工業高校でコーチや監督も務め、チームを全国大会に10回導いた。「仲間と助け合い勝利を目指すのが、ラグビーの魅力。相手とぶつかり合うため、正しい技術と勇気が必要だが、とてもおもしろい競技」と笑顔を見せる。
定年後、地元の農家に教わりながら、「キャンベル・アーリー」を中心にブドウ栽培を始めた。子どもたちやラグビー仲間と、収穫体験やバーベキューを楽しんでいる。「農作業は大変なことも多いが、人とのつながりを大切にして、続けていきたい」と話す。
佐々木さんは「農業とスポーツの共通点は、手をかけるほど豊かな実りが期待できること。どちらも、成長を見守る楽しさがある」と子どもたちの練習風景に目を細める。