[2019年3月1週号]
【胆江】奥州市胆沢若柳で、畜産をはじめ水稲5㌶、ホールクロップサイレージ3㌶、牧草10㌶、野菜30㌃の栽培に取り組む植松郁男さん(52)。家畜人工授精師の資格を持ち、地域の畜産に貢献しようと、妻の記美子さん(53)と協力しながら日々の作業に励んでいる。
削蹄師の資格を目指す
植松さんは1997年まで会社に勤めていたが、父が体調を崩したのをきっかけに兼業農家となった。2002年に会社を退職し、本格的に就農。通常の牛舎とハウス牛舎で繁殖和牛14頭、育成牛3頭を飼養する。「生き物が相手の仕事なので『これが正しい』という答えがない。毎日が勉強」と話す。
「牛をもっと知りたい」と11年に家畜人工授精師免許を取得した。19年11月には、家畜体内受精卵移植の免許を取得し、今年は削蹄師の免許の取得を目指している。
「家畜人工授精師の免許取得したことで、獣医師の話を理解するのに役立っている。現在は、飼育している牛にしか授精作業を行っていないが、将来は地域の方からの依頼にも応えたい」と意欲的だ。
小まめな換気で清潔に
過去に排尿から出るアンモニアが原因で牛を病気にしてしまった経験から、換気を小まめに行い清潔に保っている。「いかに牛にストレスをかけずに飼養することができるかに重点を置いている」と話す。
胆江地区酪農ヘルパー利用組合(及川一義代表)の臨時職員を務めている植松さん。「自分がいないときでも妻や獣医師が一目見てわかるように目に見える形にしている」と、マグネットを色分けし、牛舎の見取り図に貼りつけることで治療が必要な家畜の管理などを行っている。
今後について植松さんは「ハウス牛舎をもう1棟の建設することを検討している。そして、自分の手で地域の畜産に貢献したい」と前を見据える。