[2019年4月2週号]
【盛岡】勤務時間に融通が利くことを強みに、子育て中の女性の雇用を進めているのは、八幡平市大更に作業場を構える「産直花っ娘(はなっこ)(宮野亜由美代表=36歳)」。夏場に生産した花を、ドライフラワーにする加工品の制作にも力を入れ、多くの人に、農業に関心を持ってもらおうと活動している。
勤務時間は自分で決定
「子どもが小さかったこともあり、時間の使い方を自分で決められる働き方をしたかった」と宮野代表。嫁ぎ先がリンドウ栽培の盛んな八幡平市安代地区だったこともあり、農業に着目した。2011年に新規就農し、現在は実家の農地のほか、周辺の圃場を借り受け、1・3㌶でリンドウを中心に花卉栽培する。
栽培面積を徐々に拡大し、15年からはパート従業員の雇用を始めた。「家庭に入ると、働く自信を失う女性も多い。家庭以外にも、居場所を作るきっかけにしてもらいたい」と子育て中の女性たちを中心に雇用。現在、パート従業員を含め15人で活動している。
「子どもの予定がある時などは、1日1時間からでも働くことができる」。農繁期以外は、1日の勤務時間を従業員が自分で決めることが可能だ。1日の始めに作業目標を確認し合うことで、従業員が短時間でも効率的に作業できるようにしている。
花の普及へ加工品作り
「冬場にも花を楽しんでもらうために、加工品が作れないか考えていた」と宮野代表。17年から夏場に収穫した花をドライフラワーにし、キャンドルなどの制作を開始した。生花と同じ色で長期保存させるため、花によって、ドライフラワーの作り方を変える。
宮野代表は「気軽に花に接することで、若い人たちが、農業に関心を持ってくれるとうれしい」と笑顔を見せる。