[2022年3月3週号]
【盛岡】盛岡市中太田の「キートスファーム株式会社(南幅清功代表取締役=65歳、従業員9人)」では、有機JAS規格と岩手県特別栽培農産物認証を取得し、安全・安心の野菜作りに取り組んでいる。冬季には、自社産のサツマイモを使った焼き芋を移動販売し、消費者から好評だ。
南幅代表は、2012年に父の後を継ぎ、同社を設立。現在は、露地とハウス合わせて450㌃でミニトマトやサツマイモなど約8種類の野菜を栽培する。
除草剤や殺虫剤などを使わない有機栽培に興味があった南幅代表。市内で開かれるセミナーなどで有機栽培を学び、就農当初から安全・安心の野菜作りを実践する。
「2021年4月に有機JAS規格の認証を取得した。有機JAS規格の資格を取るのに5年かかった。取得後は関係機関の検査が年2回あるので、常に気を配っている」
圃場内だけではなく、周りの水路などの管理も大切だ。圃場内に薬剤が誤って入らないように、緑肥作物などを植え、防風・防虫対策としている。
より良い野菜を作るため、土作りにも力を注ぐ。「ふすまや米ぬかなどを土にすき込むと、微生物が分解し養分になる。分解のときに発する熱と太陽熱で、土の温度が高温になり、土壌が消毒され、養分を多く含んだふかふかの土ができあがる」
同社では自社産のサツマイモ「シルクスイート」を使い、10月から3月の末ごろまで盛岡市周辺の8カ所のスーパーなどで焼き芋を移動販売する。「滑らかな触感と甘さが特徴。甘くてしっとりした自慢の焼き芋をぜひ食べてほしい」と南幅代表。「たくさんの人に安全・安心の野菜を届けるために、日々の栽培管理などを徹底していきたい」と話した。