【新聞:岩手版】魅力の大玉 期待の若木 復興リンゴ「大夢」

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】魅力の大玉 期待の若木 復興リンゴ「大夢」

[2018年12月1週号]

【宮古市】2014年に設立された「宮古地域『大夢』栽培研究会(村木徳造代表=71歳)」では、岩手県のリンゴのオリジナル品種として登録されている大夢のPR活動や収穫体験ツアーなどを企画。宮古市内外のイベントなどにも積極的に参加し、地域を挙げてのブランド化を目指している。

本年度作成したのぼりと贈答用箱を手に村木代表(右)と山崎さん(左)村木代表は「市内外のイベントや販売会に参加し、多くの方に大夢を知っていただきたい」と話す

 大夢は、県が「ふじ」と「ゴールデンデリシャス」を交配させて誕生した品種。東日本大震災後に「復興に大きな夢を乗せる」という思いを込めて大夢と命名された。

 13年3月に、県のリンゴのオリジナル品種として登録され、現在は宮古地域の生産者が合わせて75㌃の園地で栽培している。

果汁が多く食味良好

 大夢は果汁が多く、甘味と酸味のバランスが良いことが特徴。11月上旬から収穫が始まり、大きいものでは600㌘を超える大玉に成長する。晩生品種のふじが小玉傾向になる沿岸地域では、大夢の大玉傾向の特性は魅力的で期待が大きい。

 研究会は生産者や関係機関で構成し、15年から収穫体験ツアー(宮古市主催)を実施している。今年は11月3日に、同市崎山の園地で開催され、抽選で選ばれた市民22人が参加した。

収穫するリンゴを選ぶツアー参加者

 ツアーでは、研究会会員の生産者の山崎慎弥さん(26)が「全体が鮮やかに赤く色づき、おしりが黄色くなっているリンゴが熟している」と収穫の見極めについて教えた。参加者は実ったリンゴを探し丁寧に収穫。市内から参加したという女性は「市内に大きなリンゴ園があることを知らなかったので驚いた」と話す。

 デビューして間もない大夢は若木が中心で、年間の収量は2㌧ほど。山崎さんは「収量を増やすことが課題。また、出荷規格なども設定したい」と話している。


ページ上部へ