【新聞:岩手版】自慢の生乳でマイブランド

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】自慢の生乳でマイブランド

[2021年6月1週号]

 【盛岡】岩手町土川で酪農を経営する「有限会社ハッピーヒルファーム(社員・役員計9人)」では、2020年11月から自社の生乳を100%使用したアイスクリームの販売を開始。千葉一幸代表取締役(60)は「この商品が、農業に取り組む若者を増やすきっかけになれば」と力を込める。

「地元の人が町外の人にお薦めできる商品になってほしい」と千葉代表

 同社は、1999年に設立され、現在は3棟の牛舎で成牛160頭、育成牛130頭を飼育。生乳は、地元の飲食店だけではなく県外企業にも販売する。

 千葉代表は「自社生乳を使ったマイブランドを作りたかった。しかし自社製造は、労力と利益のバランスが難しく、踏み切れなかった」と振り返る。

 知人に委託製造を提案されたのをきっかけに、八幡平市のジェラートショップへ製造を委託。咋年から自社生乳を100%使用したアイスクリームの販売を始めた。

 アイスクリームは岩手町の「道の駅石神の丘」で「ハッピーさんのアイス」として販売され、併設されているレストランでも味わうことができる。

ハッピーさんのアイス。ブルーベリー味は岩手町産ブルーベリーを使用

 「みなさんの提案や協力により、自分では思い至らなかった方法で、夢を叶えることができた。自慢の一品に仕上がった」

 アイスクリームはミルク、ブルーベリー、イチゴ、バニラの4種類を展開する。「お薦めはミルク味。ストレスの少ない環境と、自家製飼料で育った牛の、生乳本来の甘さを味わってほしい」

社員の意識向上に

 「自社商品の評判が上がれば、若手職員のやりがいにつながる。若手職員がいきいきしていると、自分も頑張ろうという気持ちになる」と千葉代表。「農業は、体力勝負で大変なイメージを持たれている。やりがいを持って農業に取り組む若者が増えれば、イメージが変わるはず。アイス作りがそのきっかけになればうれしい」と話した。


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