[2021年3月2週号]
▷宮古市摂待
▷佐々木 正平さん
海岸から約1㌔のところにあった私の水田は、津波で全面が海水をかぶりました。2011年は作付けを休んで消石灰を使った除塩作業をしました。
翌年から作付けを再開しましたが、例年とは異なる作付け条件だったので、稲の管理には苦労しましたね。生育にむらはありましたが、平年並みに近い収量を確保することができました。あのときは無事に収穫を終えたことと、米が実ってくれたことへのありがたさを感じました。
区画整備に奔走
農用地災害復旧事業を活用して、12年から摂待地区の水田の区画整備が始まりました。事業では、区画整備推進委員会の副委員長として、工事業者と地域住民の橋渡し役を務めました。工事には私をはじめ、地域から6人が参加しました。
14年に整備が完了して、1区画の面積が10㌃から20㌃になりました。面積は倍ですが、農業機械の作業効率は3倍以上良くなったと感じています。区画整備後に地域の農家の方が「管理作業が楽になって、良い米ができたね」と言っていたことは今でも忘れられないですね。整備に向けて、地域内で議論を重ねた甲斐がありました。
1993(平成5)の冷害では、水稲共済に助けていただきましたが、今年から収入保険に切り替えました。過去の収穫量と出荷額が補償の基準となる収入保険は、営農意欲の維持にもつながる良い制度だと感じています。
▽80歳▽水稲150㌃