[2020年6月2週号]
【宮古】JA新いわて宮古地域ブロッコリー生産グループ(中村真文代表、会員9人)は、国際基準の農業生産工程管理を行う経営体を認証するGLOBALGAP(グローバルギャップ、以下GGAP)の団体認証を国内3例目として取得。国際基準を満たしたブロッコリーを生産し、販路拡大を目指している。
宮古地域では近年、若手農家や新規就農者が中心となりブロッコリー栽培に力を入れてきた。GGAPの取得は、東京オリンピックへの食材提供など国際需要の増加を見越したもので、宮古農業改良普及センターからJAと生産者への声掛けから始まった。
宮古農業改良普及センター砂子田慎一郎技師は「手探りの状態から、生産者と関係機関が一体となって取り組んだ」と話す。2019年2月から勉強会を始め、有志の生産者9戸で研修会や現地指導会を重ね、取得に向けた準備を本格化させ、同年11月に団体認証を取得した。
JA新いわて宮古営農経済センターの石井健吾営農指導員は「GGAP取得には、作業を細かく記録することが求められる。生産者に記帳の習慣づけをしてもらうことに苦労した」と振り返る。
前年比125%出荷へ
本年産の春ブロッコリーの作付面積は約27㌶で、2万9600ケース(前年比125%)の出荷を目指している。先ごろ行われた春ブロッコリーの目揃会では、生産者と関係機関が出荷規格と生育状況を確認した。
JA新いわては、GGAP品の受け入れ態勢を整備する方針だ。主に、GGAP品と一般品の梱包材を分けて市場に出荷するという。春ブロッコリーは、5月下旬から出荷が始まり、6月には最盛期を迎える。
JA新いわて宮古営農経済センター米穀園芸課の平坂博喜課長補佐は「今後はGGAP品の認知度を上げ、販路拡大に向けて市場ニーズの掘り起こしに取り組んでいく」と話す。