【新聞:岩手版特集号】震災教訓に台風克服 酪農継続へ家族一丸

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版特集号】震災教訓に台風克服 酪農継続へ家族一丸

[2019年1月1週号]

 1991年に父から経営を譲り受けました。父の代は経産牛が15頭ほどでしたが、牛舎を新築して30頭前後まで頭数を増やしました。

「健康な牛を育てることで乳量確保を目指してきました」と話す山崎さんと妻の三枝子さん(63)

 2011年の東日本大震災の時は3日ほど停電が続き、本当に大変でした。牛は毎日搾乳しないと乳房炎を発症します。そのため、当時は発電機を使って搾乳機械を稼働させ、通常1時間で終わる作業を4時間から5時間かけて行いました。 

 やっとの思いで搾乳ができたのに、出荷先の工場が燃料不足で稼働できなかったため、搾った日量800㌔の生乳はそのまま廃棄するしかなかったです。残念ですが、牛を生かすためには仕方がないです。

 この経験から、大型の発電機を導入しました。16年の台風10号の時も停電しましたが、この発電機のおかげで乗り切ることができました。

 また、頭数を増やしたことで、粗飼料の確保が困難になった時期がありました。現在は牧草の作付面積を増やし、自家産の牧草を与えています。」

 牧草の質で牛の食いは変わります。近年は土壌診断を行い、結果をもとに苦土石灰や化学肥料の施肥量を決めています。牛が牧草をたくさん食べてくれるようになりました。

 13年からは、経営を息子に任せていますが、これからも家族が一丸となって酪農に取り組んでいきたいですね。

▽66歳▽経営内容=ホルスタイン経産牛34頭、育成牛16頭


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