[2018年7月3週号岩手版]
【八幡平市】水稲1.7㌶とリンドウ50㌃を生産する八幡平市細野の八幡正行さん(58)は、農閑期に民宿を経営。生産した米は民宿でも提供し、「お客さんに『おいしい』と言ってもらえるように」と農作業の励みにしている。
1993年に本格的に就農した八幡さんは、「いわてっこ」「ヒメノモチ」を中心に、リンドウも栽培。「7月から10月末まで出荷ができる」と、早咲き「安代の夏」や遅咲き「安代の夕映」など6品種を手掛ける。また、天候に左右されずにリンドウを出荷するため、元住宅を作業場に改装した。
おいしい米でもてなす
八幡さんは「おいしい米やきれいなリンドウで、安代地区の魅力を伝えたい」と、勤めていた安代町役場を退職し、安比高原近くで民宿を経営。農作業が落ち着く11月後半から5月前半まで営業する。宿泊するのは、近隣のスキー場へのスキー客が多いという。「なじみのお客さんと酒を酌み交わしたりもする」と八幡さんも楽しみにしている。
生産した米は民宿の食事でも提供。「おいしいと言ってもらえるとうれしい。元気にスキーを楽しめるように、たくさん食べてもらいたい」と宿泊客の声が農作業の励みとなっている。
次世代へつなげたい
少子高齢化の影響で、安代地区では空き家も増えている中、八幡さんは「子どもたちが、後継者として戻ってきやすい農家を目指している」と話す。
「民宿経営で、人件費を含め、なるべく経費を抑えることの大切さを学んだ。農業についても、自分たち夫婦でできる規模を、これからも続けていきたい。その上で、作業場などの農業設備を充実させ、次の世代へスムーズな引き渡しができるようにしたい」