[新聞:岩手版]都道府県代表お米選手権 ひとめぼれが金賞~評価が自信に~

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

[新聞:岩手版]都道府県代表お米選手権 ひとめぼれが金賞~評価が自信に~

[2017年4月3週号岩手版]

【北上市】昨年12月に開催された「第18回米・食味分析鑑定コンクール:国際大会」で、「ひとめぼれ」を出品した北上市飯豊の八重樫哲哉さん(57)が「都道府県代表お米選手権」で金賞を受賞した。岩手県初の快挙に「自分の作った米が評価されて嬉しい。全国で戦えるひとめぼれが岩手でも作れることが証明できた」と自信を得た。

「食べた人を笑顔にする米を作りたい」と話す八重樫さん

 同コンクールは、米・食味鑑定士協会などが主催する米の食味を競う世界最大規模のコンクール。昨年は、国内外から5671点、岩手県からは58点の検体が出品された。

 普通米の1次審査は、玄米の食味値と整粒度を計測し、食味値85点以上、整粒度75%以上の検体が通過する。2次審査では白米に精米し、うま味成分である味度を測定する。

八重樫さんのひとめぼれは、食味値86点、整粒値84・9点、味度87・2点と高評価を得て1・2次審査を通過。熊本県菊池市で行われた最終審査に臨んだ。

最終審査は、鑑定士や飲食店関係者30人による食味審査によって行われ、八重樫さんのひとめぼれは最高賞である金賞に輝いた。

八重樫さんは、住宅設備機器の卸売会社を個人経営しながら、米作りに励む兼業農家。

農作業は平日の朝晩と土日に行い、昨年は1.3㌶作付した。農薬と化学肥料を慣行栽培の半分以下に抑え、水管理を徹底。「米も家族の一員。小まめな管理をすれば良いものが育つ」と努力が実を結んだ。

知人から同コンクールのことを聞き「自分が作った米を客観的に評価してほしい」と出品を決意。「喜びが大きすぎて自分の名前が発表された後の記憶がない」と授賞式を振り返る。

岩手県初の快挙

岩手県産のひとめぼれが最高賞を受賞したことについて「北上平野で作った米が評価されたことは大きな意味がある」と話す八重樫さん。「北上産米がブランド化し、全国に広まれば米の価値が上がる。そうすれば農家の収入安定や後継者の増加につながる」と経営環境の改善を期待する。

今年は作付面積を昨年の倍にする予定という八重樫さんは「草刈りが大変だが、効率的な作業方法を模索していく」と意欲的だ。

さらに「安全・安心の高品質な米を作って消費者を笑顔にしたい。農業を盛り上げ、地元に貢献したい」と熱く話してくれた。


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