[新聞:岩手版]果樹農家2人がワイナリー設立~岩手をワイン産地に~

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

[新聞:岩手版]果樹農家2人がワイナリー設立~岩手をワイン産地に~

[2016年8月4週号 岩手版]

2016-08-04-21

「私たちのワイナリーを皆さんに育ててもらいたい」と話す大和田博さん(左)と高橋英則さん

【花巻市】ブドウの栽培が盛んな花巻市大迫町の果樹生産者2人が、農家によるワイナリー、亀ケ森醸造所を設立した。運転資金の寄付を募り、寄付者にはワインとシードル(リンゴ酒)の試験醸造酒を提供する。「岩手をワイン産地として確立」を目標に、2人は挑戦の一歩を踏み出した。 

同市大迫町で3カ所目となるワイナリーを立ち上げたのは、ブドウ栽培をする大和田博さん(54)とリンゴ農家の高橋英則さん(46)。「岩手をワイン産地として確立したい」との思いから、1年半前から準備を進め、今年の6月に酒造免許を取得。空き家の民家を自ら改装して手作りワイナリーを完成させた。  

酒税法の規定で年間最低醸造数量が6㌔㍑と決められているため、1年目から最低でも720㍉㍑瓶で8千本以上を造る必要がある。資金と時間に余裕がないなかで運転資金を調達しようと、インターネットを通じて資金を公募する、クラウドファンディング「いしわり」を活用した資金募集を始めた。

プロジェクト名は「手作りワイナリーをみんなに育ててもらうために、幻の『ゼロ号』を届けたい!」とし、目標額を80万円に設定。9月末まで寄付を募り、目標額を達成した場合は、返礼品としてワインとシードルのセットを贈る。返礼品の試験醸造酒はゼロ号と命名した。大和田さんは「ゼロ号を多くの人に届けたい。私たちのワイナリーを皆様に育てていただきたいです」と協力を呼び掛けている。

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返礼品として贈られるワインとシードル「ゼロ号」

今後の展望として、大和田さんは「地酒として全国的に知名度を上げたい。その第一歩として、地元の人たちに親しまれる地酒を造り、長く愛されるワイナリーにしていきたい」と意気込む。高橋さんも「大迫を訪れた人たちがワイナリー巡りを楽しめるように、小屋を改装して試飲できるスペースを作りたい」と夢を膨らませる。


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