[2017年2月1週号 岩手版]
【田野畑村】冬場の貴重な収入源として根ミツバ栽培を導入し、野菜の周年出荷に励むのは、田野畑村巣合地区の中村真文さん(36)だ。天候に左右される難しい品目だが、夏場の除草管理などを徹底しておくことで収量を確保。現在、出荷の最盛期を迎えている。
中村さんは、母・ナツさん(68)とハウス15棟でピーマン、露地4.5㌶でブロッコリーやニンジン、根ミツバなどを栽培する専業農家で、最盛期にはパートも雇用する。
周年出荷の一環として導入している根ミツバは、単価の極端な変動がないため、冬場の貴重な収入源となっている。6月に播種し、育てた根株を12月上旬にハウス内の温床に移植、促成栽培することで、12月下旬から3月上旬までの出荷が可能となる。
播種後の除草作業に最も苦労すると話す中村さんは「雑草が伸びてくると根がミツバの根と絡んで一緒に抜けてしまうので、ミツバの根株育成時期は、雑草をこまめに取る必要があります。除草作業のタイミングが2、3日遅れるだけで収穫期に雲泥の差がでます」と手間を惜しまず作業に専念する。
「一番の天敵は本葉がでる頃の乾燥です。涼しくて水はけがよいベストな状態の畑でも、天候によって収量が左右され、冬場の収入に影響が出てきます」と話す中村さん。昨年は少雨により、目標の4分の1程度しか収穫出来なかった。今年の生育は平年並みとのことで、現在は、1日8ケース(32㌕)の出荷を目標に日々の作業に励んでいる。
地域の農家が高齢化により減少傾向にある中で、若手生産者の一人として中村さんは、栽培面積増加と海外研修生の受け入れを視野に入れている。「多くの仲間と切磋琢磨し、季節を問わず出荷することが理想」と力強く話し、雇用を増やすことで農業だけでなく地域全体の活性化に貢献したいと考えている。