[新聞:岩手版]県オリジナル水稲「金色の風」ブランド定着へ

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

[新聞:岩手版]県オリジナル水稲「金色の風」ブランド定着へ

[2017年3月1週号 岩手版]

作付農家登録証が一人一人に手渡された

【奥州市】食味を優先させ、県が全国に誇る最高級プレミアム米として開発した県産オリジナル品種「金色の風(こんじきのかぜ)」。

奥州市江刺区のJA江刺(小沢隆一組合長)では、今年度から一般栽培される同品種の江刺地域での栽培研究会を発足。2月21日の研究会発足式には関係者約40人が出席し、関係者の意識統一を図った。

金色の風は、岩手生物工学研究センターと岩手県農業研究センターが、アミロースの含有率が低く食味に優れた系統「Hit1073」と「ひとめぼれ」を人工交配し、選抜・固定を図ったうるちの水稲だ。   

アミロースがひとめぼれよりやや少ないことによる程よい粘りと食感、豊かな甘みなど、ひとめぼれより優れる食味が特徴だ。

耐冷性やいもち病の耐病性はひとめぼれと同等だが、稈長がやや長いため若干倒伏しやすく、一穂籾数が少ないため収量はひとめぼれよりやや低い。

同研究会では岩手県農業研究センターが栽培マニュアルに沿って栽植密度や施肥量の目安、追肥の時期、異物混入防止対策の徹底から刈取時期などを説明。全農いわて県本部が集荷、販売方針や戦略について説明した。

産地は同品種の食味特性を最大限に引き出せる県南部のひとめぼれ(特A評価)の栽培地域で、標高120m以下に限定。過去の食味計の分析結果や土壌条件などから、食味に優れた圃場を選定する。今年度は、県全体で100㌶を計画しており、2020年度までに2,000㌶に順次拡大する。

全国最高水準を目指して

研究会発足式で関係者の意識統一を図った

品質と食味の向上にも細心の注意を払う。全国トップレベルの評価を確立するため、県が定めた作付基準を満たした生産者が、栽培マニュアルを厳守し、品質目標をクリアした米のみが金色の風として出荷される。

同研究会の会長に選出された高橋貞信さん(61)は「安全安心でおいしい米を、生産者が互いに協力しながら作っていく」と誓った。

早期にブランド定着させるため、産地・流通業者・実需者との関係を深め、多様なニーズへ販路拡大するため知名度を高め、県オリジナル品種の確立と国内最高の評価を目指す。


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