[2024年3月3週号]
【北部】洋野町種市の株式会社長根商店(長根繁男代表=57歳)では、農畜産物の食品加工を請け負い、100件を超える商品化につなげた。長根代表は「生産者の要望に応えて付加価値の高い商品づくりをしたい」と話す。
同社は天然キノコを使った加工食品製造・販売の傍ら、食品加工技術を利用して2019年に本格的な受託生産を始めた。企業からの大口依頼のほか、個人の生産者が利用しやすいように、数百個単位の受注にも対応している。
約20種類の食品加工設備を保有し、依頼者の要望に合わせたさまざまな加工設備を使用し、商品化に取り組む。長根代表は「カレーや炊き込みご飯など長期保存できるレトルト食品の加工依頼が多い」と話す。
自動乾燥機を利用する際は、風味が落ちないように温度と風量を調節して乾燥するという。「おいしい商品を作ることを第一に考えている」と長根代表。「乾燥時間短縮のため、高温で一気に乾燥させる方法が一般的だが、食材に合わせた温度や時間を設定して乾燥させている」
ワンストップで対応
長根代表は、細菌検査、栄養成分計算、一括表示ラベル作成などをすべて同社で対応できるように、食品表示診断士の資格を取得した。「商品開発にかかる生産者の時間や費用の節減につなげてほしい」。個人で実施すると負担が大きい部分をワンストップで対応できるという。
野菜の洗浄、包装など食品加工以外の作業依頼も受け入れる。「生産者の作業負担軽減に貢献したい」。久慈管内で収穫された寒締めホウレンソウの洗浄は、マイクロバブル洗浄機を使う。根元についた土をきれいに落とすことができるという。
「お客さまから『希望通りの味でうれしい』などの声が励みになる」と長根代表。「設備などの問題で食品加工について困っている方がいれば気軽に相談してほしい」と話す。