【新聞:岩手版】土作り重視の米で冷凍玄米おにぎり

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】土作り重視の米で冷凍玄米おにぎり

[2022年4月2週号]

「きらほは玄米でもおいしいので、たくさんの方に食べてもらいたい」と馬場代表

 【北部】二戸市浄法寺町の株式会社馬場園芸(馬場淳代表=32歳、従業員8人)では、土づくりに力を入れた水稲栽培に取り組む。消費者の要望に応え、自社産の玄米を使用した「冷凍玄米おにぎり」の販売を4月下旬に開始。今後は生産だけでなく加工品開発も強化する予定だ。

 同社では、花き40㌃、ホワイトアスパラガス3㌶、葉物野菜30㌃、「ひとめぼれ」「きらほ」の2品種を5・5㌶で栽培。昨年の水稲の収穫量は22㌧で、同社のオンラインショップや二戸市の産直「ふれあい二戸」で販売する。

 「お客さまにおいしいお米を届けるために、土作りに力を入れている」と馬場代表。ホワイトアスパラガスを栽培する際に使用する堆肥を、水稲栽培に活用する。「堆肥には、アミノ酸成分が豊富な魚粉とミネラル成分が豊富なカキ殻を混ぜている。お客さまから『うま味が増した』と好評を得ている」

硬くならず食べやすく

 4月下旬から、自社産の「きらほ」を100%使用した「冷凍玄米おにぎり」の販売を同社のオンラインショップを中心に始める。

 きらほは、アミロース含有率が低く、冷めても硬くなりにくいのが特徴。玄米で炊いても特有のくせが無く、モチモチとした食感で食べやすいという。

試作段階の冷凍玄米おにぎり

 「玄米は白米と比較してビタミンやミネラルなどの栄養価が高い。忙しくて食生活が乱れる心配をするお客さまの要望を受けて、手軽に食べられる冷凍おにぎりの商品化を考えた」

 試作品は今年2月に完成し、従業員と相談して、食べやすいように一つ80~90㌘にした。

 「玄米の栄養価を損なわないように、塩だけで味付けしている。地元産の雑穀や黒豆を混ぜた味も展開していきたい」と馬場代表。「自社産の農産物を使った加工品で、お客さまに健康とおいしさを届けていきたい」と話す。


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