【新聞:岩手版】寒冷地栽培が可能に

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】寒冷地栽培が可能に

[2023年11月2週号]

果実の大きさを測る菅野社長。直径6㌢に育った果実を収穫する

 【胆江】奥州市江刺のIEKかんの花卉株式会社(菅野達也代表取締役社長=64歳)では、切り花栽培用のビニールハウス1棟(4㌃)で「マイヤーレモン」のほか、3品種のレモンを計200本栽培し、市内の産直で販売。菅野社長は「東北地方では栽培が難しいとされるレモンを多くの人に味わってもらえたら」と期待を込める。

 同社は2007年に設立し、キクなどの切り花を生産・販売する。「比較的温暖な西日本で生産されるレモンを地元でも育てられたら面白いと思った」と、20年に栽培を開始。暖房設備が付いた切り花生産用のハウスを使うことで、寒さに弱いレモンの栽培を可能にした。

 最も多く栽培するマイヤーレモンはレモンとオレンジの交配種で、一般のレモンよりも酸味が少ない。緑色の果実をグリーンレモンとして10月ごろから収穫・販売を始める。冬になるにつれて黄色からオレンジ色に色づき甘みが増す。外果皮が薄いため果実を丸ごと食べられる。

 

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 「おいしいレモンを育てるには木を太くすることが最も大切」と菅野社長。植木鉢一つに1本ずつ植え、栄養が果実に届くように余分な枝を剪定する。果実が十分においしくなるまで、植え付けた後の2年間は収穫しないという。「植木鉢で栽培すると、木の高さが150㌢程度にとどまり、日当たりが良くなる」

 現在、果実を収穫できる木は200本で、来年度以降に収穫予定の木を500本ほど準備している。

 菅野社長は「産直で購入した方から『地元で作られたレモンは輸入したものよりも鮮度と香りが良く安全性が高い』という声をいただく。東北地方などの寒い地域では栽培が難しいが、江刺産のレモンをたくさんの人に味わってもらえたらうれしい」と話す。


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