【新聞:岩手版】農業発展へ情報活用を

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】農業発展へ情報活用を

[2023年12月1週号]

行政を対象にプレゼンテーションをする菅田さん。「農機具販売店やJAにも実施したい」と話す

 【東南部】「これからの農業には情報が絶対に必要」と話すのは、遠野市綾織町で繁殖和牛29頭を飼養する菅田琢郎さん(34)。情報の重要性に注目して岩手県内の農業に特化したオンラインコミュニティーを立ち上げた。

 同市出身の菅田さんは、大学を卒業後に株式会社ヰセキ東北へ入社。地域農業の担い手や新規就農者、若手農業者を支援する人材を育成する「アグリヒーロー育成プロジェクト研修」を1期生として受講した。

 ヰセキ東北を退社し、2020年に新規就農した菅田さんは「行政や企業と農家、また農家同士の情報のやり取りが口頭での連絡やチラシだけで、情報インフラが発達していないと感じた」と話す。

 今年7月には若手畜産農家の一人として同市農林課などの関係機関との意見交換会に参加し、農家間の情報共有や情報収集の必要性に関して発言した。

コミュニティー利用料は月額1100円。テーマを問わない掲示板や写真と動画の共有ができるコンテンツもあるという

 菅田さんはスマートフォンアプリ「FANTS」を利用し、岩手県内の農家に特化したオンラインコミュニティー「あぐりネットfor岩手」を12月1日に立ち上げた。「気候や栽培環境が似ていると営農の参考にしやすいと思い、参加者を県内の人に絞った」

 同コミュニティーでは、情報を双方向でやり取りできる。市町村ごとの掲示板と、稲作、畜産、野菜などの分野ごとの掲示板を設置し、それぞれ地域特有の農業情報やイベント情報の共有のほか、農業に関する専門的な情報や意見の交換を想定しているという。

 「堆肥を求める野菜農家と堆肥を提供できる畜産農家とのマッチングなど、いろいろな使い方ができる」と菅田さん。「国内初の取り組みなので、モデルケースになればいいと思う。農業の発展に必要なことだと信じている」と話した。

 ▽問い合わせ=アグリヒーロー岩手☏080(1853 )3225


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