[2025年10月3週号]
【胆江南】畑(約30㌃)で丸ナスや東京カボチャなどの野菜を栽培する、奥州市前沢の佐藤俊光さん(39)。微生物の力を生かして野菜を栽培する菌ちゃん農法に取り組む。「菌ちゃん農法をもっと多くの人に知ってもらいたい」と話す。

糸状菌
落ち葉や糸状菌を活用
2024年3月に山形県で開催された講演会で菌ちゃん農法を知った佐藤さん。地元の農家の担い手が減少し、農地が荒れていくのが悲しいと感じ、「地域の農業を次の世代につなげたい」という思いで、25年4月に自宅の畑と近くの休耕地を借りて就農した。
「菌ちゃん農法とは、落ち葉や草など自然の物を土へすき込み、土の中の微生物の力を生かして、野菜を元気に育てる農法。土の中の糸状菌が欠かせない」と佐藤さん。約50センチの高さの畝を作り、マルチをかぶせる。土中の糸状菌がすき込んだ葉を餌として繁殖して、2、3カ月かけて一つの畝ができる。「一度畝を作ると菌が年々繁殖して、昨年よりも良い野菜が育つ。2、3年は葉を新しくすき込まなくても同じ畝で栽培ができる」と佐藤さん。準備するものはマルチだけで、農薬や肥料も使用しない。費用を抑えて農業を始めたい人にはぴったりだという。
「今年は猛暑で雨が降らず、水やりに苦労した」と佐藤さん。山水が枯れなかったため水の確保はできたが、貯水タンクに水を入れて畑まで運搬車で何度も運び、畑全体に水やりをした。
収穫した野菜は、地元のスーパーなどで販売している。「小さなお子さんがいる家庭に自然の味わいと安全、安心を届けていきたい」と佐藤さん。「畑で自然体験や探検が楽しめる農園見学会を開催してみたい」と意欲的だ。

「虫の被害もあまりなく、元気に育ってくれた」と佐藤さん