[2022年6月3週号]
【北部】二戸市金田一の高杉清市さん(62)は、妻の信子さん(62)と2010年から露地2㌶、ハウス4棟(8㌃)でキュウリを栽培する。昨年は6・5㌧をJAに出荷。温度や湿度管理、圃場の見回りなどの栽培管理を徹底し、高品質のキュウリ生産を目標に奮闘する。
「キュウリは乾燥に弱いため、温度や湿度の管理に気を付けている」と清市さん。ハウスの扉の開閉と自動散水チューブを使った1日4回の水やりで、ハウス内の温度を25~30度、湿度は60%程度に保つ。
ハウス内にアーチパイプを設置し、キュウリの苗全体を覆うように不織布をかけている。「外気温の低い4月ごろはハウス内の温度を保ち、夏は直射日光による葉焼けや高温障害を防ぐ効果がある」
清市さんは「水分不足などのストレスが加わると曲がって育ってしまう。ほかの実に栄養が届くように、こまめに圃場を見回り、曲がったキュウリは早めに収穫する」と話す。
4月から7月末まで促成栽培、8月から10月末まではハウスで抑制栽培に取り組む。「同じ苗で収穫を続けると実の形が悪くなってしまう」と清市さん。抑制栽培に切り替える7月末、古い苗を切り倒し、8月上旬に新しい苗を定植する。「常に形の良いものを収穫するために大切な作業」
キュウリの鮮度を保つため、早朝と夕方の涼しい時に収穫する。信子さんは「気温が高い日中に収穫すると傷みやすくなる。涼しい時間帯に作業することで、体の負担が減り、作業効率が上がる」と話す。
6月下旬ごろから露地栽培の収穫が始まり、キュウリ栽培の最盛期を迎える。清市さんは「今の規模を維持しつつ、品質の高いキュウリを目指して継続出荷していきたい」と話す。