[2026年2月3週号]
【東南部】遠野市宮守町の福地千津子さん(70)は、夫・孝市さん(73)と共にハウス25棟(45㌃)でワサビを栽培している。砂利を敷いた地面に苗を定植。パイプラインでくみ上げた湧き水を常に流して育てる。高単価で販売するため、出荷先のニーズに合わせた調整作業に力を入れる。

ワサビを収穫する福地さん
荷姿に工夫
冷涼で沢水が豊富なことから、ワサビ栽培が盛んな宮守地区。福地さんはワサビのほか、花きやピーマン、ナスなどの野菜を栽培している。「ワサビは夏でも収穫できるが、冬のほうが寒さで実が締まっておいしい」と福地さん。11月から2月が収穫最盛期で、JAを通して関東の市場などに出荷される。また、ワサビのしょうゆ漬けなども製造している。
ワサビは、苗を植えてから収穫ができるまでに1年半ほどかかるという。「成長は遅い。その間、きれいな水が必要」と福地さん。ハウス内には段差があり、地面には上流側から常に水が流れている。湧き水の水温は1年を通じて10度前後で、夏場でも十分な水量が確保できているという。
ハウス内には遮光幕を設置。「夏の暑さで品質が落ちないように」と、7月から9月にかけて遮光する。福地さんは「収穫作業は楽。成長が早い夏野菜のように収穫に追われることなく、自分のペースで作業できる。防除や肥料散布も不要」と話す。
収穫後の調整作業が販売単価に直結する。「実の切り方、余分な茎や葉をどのように切り落とすかなど、出荷先の要望に合うように勉強している」と福地さん。豊洲市場に見学に行ったこともあるという。
「人とふれあうことが楽しい」と福地さん。観光客のワサビ収穫体験を受け入れ、新たな注文につながったこともあるという。「夫婦で現在の規模を維持して、品質のいいワサビを生産したい」と福地さんは笑顔を見せる。
