[2025年7月3週号]
【東南部】借り受けた耕作放棄地を整備して、露地(1㌶)、ハウス7棟(10㌃)で野菜を栽培する大槌町の「さともり株式会社(代表取締役・伊藤将太さん=31歳)」。農薬を使わず、刈り取った草や完熟堆肥などをすき込むことで、害虫を寄せ付けずに地力を高める。栽培管理に協力する地域農家に感謝し、食農体験の開催などを計画している。

「1日約200個のズッキーニが取れる」と伊藤さん
農家や家族の助けに感謝 イベントの開催へ意欲
大槌町の地域おこし協力隊として活動していた伊藤さん。「沿岸部を中心に耕作放棄地が増えている現状を知って、活用できないか考えていた」と振り返る。2022年3月にさともり株式会社を設立し、現在は大槌町、釜石市、北上市でズッキーニやフルーツトマトなど年間約70品種の野菜を栽培する。
「農薬を使わず野菜を育てているので、土作りが大切」と伊藤さん。今年は新たに、大槌町小槌地区で約30㌃の耕作放棄地を借り受けた。4月に草刈りをした後、刈り取った草と一緒に完熟堆肥、米ぬか、鶏ふん堆肥をトラクターで2、3回すき込んだという。伊藤さんは「土の中の微生物を活性化させ、すき込んだ草に含まれる炭素で地力を高めていく。完熟堆肥を使うことで、害虫を寄せ付けにくい」と話す。
すき込み作業後、雨が降った日の2日後をめどにマルチを張る。「土の中が温かくなって作物の根張りが良くなる」と伊藤さんは、マルチを張った3日後を目安に定植する。また、土壌の酸性度(PH)は6~7ぐらいの中性になるように有機石灰で整える。
地元の農家や伊藤さんの実家の家族が水やりなどを手伝っているという。「農地が離れているので、移動に時間がかかる。地域の方の支えがあるから、今まで取り組めた」と感謝する伊藤さん。作物を収穫して、料理を作って食べるイベントを計画している。「農業を通じて、人と地域のつながりにも力を入れたい」と話す。