[新聞:岩手版]東北各県から17人が出場~培った技を競う~

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

[新聞:岩手版]東北各県から17人が出場~培った技を競う~

[2016年10月1週号 岩手版]

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削蹄師たちの熱い戦いが繰り広げられた

【雫石町】第28回東北地区牛削蹄競技大会(主催=岩手県装削蹄師会)が雫石町のJA全農いわて中央家畜市場で開催され、東北各県から17人が選手として出場。日ごろの技術を競い合った。また、併せて伝染病や蹄病に関する講習会も開催され、参加者は飼養管理や削蹄の重要性について知識を深めた。

蹄は牛の「第二の心臓」とも呼ばれる。蹄が伸び過ぎたり変形すると、牛は正しい肢勢がとれず、歩行が乱れるため、四肢の筋肉や関節に疾患などを引き起こす。また、血液の循環も悪くなることから、蹄病にもかかりやすくなる。こうしたリスクを回避するために、伸びた蹄を削るのが牛削蹄師の仕事だ。この日行われた講習会で講師を務めたジンプロアニマルニュートリションジャパンインクの中野創営業部長は「定期的な削蹄で蹄病を防ぐことは治療費の減少だけでなく、乳量低下の防止や繁殖成績の上昇につながるため、経営面で非常に有効」と話す。

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内外蹄のバランスや蹄下面の処理、削切量などに注意しながら作業する

同大会は牛の歩行や蹄の観察から状態を判断する牛削蹄判断競技(筆記)と、実際に蹄を削る牛削蹄競技(実技)の2種目で順位を決定。先に行われた牛削蹄判断競技では、一頭の牛の歩行姿勢や蹄の形から蹄の特徴などを判断し、その後の牛削蹄競技では、20分の制限時間で実際に削蹄を行った。

選手たちは、蹄を入念に観察し、手際よくかつ丁寧に蹄の形状を整えた。岩手県からは八幡平市の鈴木真司さん(25)、奥州市の岩渕孝幸さん(43)、葛巻町の柳本克俊さん(38)が出場。3人とも上位入賞を果たし、11月に茨城県で開催される全国大会への出場権を獲得した。 岩手県装削蹄師会の嵯峨美紀会長(57)は「この大会を通じて互いの技術を高め合ってほしい。また、多くの人に畜産現場を支える削蹄師の仕事について知ってもらいたい」と話した。


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