[2021年4月3週号]
【胆江】業務用水耕栽培プラントを販売する奥州市水沢の「ヨンボファクトリー(高橋陽悦代表=64歳)」では、同市産のリンゴを活用したリンゴチップスを市内の産直や首都圏などで販売し、同市産の農産物のPRに取り組む。また、生産者のニーズに応じた農業設備の導入などの相談にも対応している。
高橋さんは、2015年に約40年勤めていた農業機械販売会社を退職し、同年7月にヨンボファクトリーを設立した。「会社員時代に何度か東京に行く機会があり、岩手県産の農産物の知名度があまり高くないことを知った。そのときに、自分に何かできることはないかと考えた」
その後、奥州市で開催された6次産業のセミナーに参加し、同市のリンゴ生産者から依頼され、生鮮出荷ができないリンゴを活用したリンゴチップスの加工を始めた。「加工するリンゴはすべて岩手県産。時期によって使用する品種は異なる。味の好みは人それぞれなので、好みの品種を見つけてほしい」
リンゴチップスは市内の産直のほか東京のアンテナショップやインターネットで販売する。「地元では、日常的においしいリンゴを食べることができる。多くの人に奥州市産のリンゴを手軽に食べてほしいので、お土産等に活用してほしい」
農業に興味を持つ人を支援しようと、予算や栽培規模などに応じた設備導入の相談にも対応する。
「相談を受けたときに適切なアドバイスができるよう、自分自身もレタスやメロンの水耕栽培を関係機関と共同で行った」
水耕栽培のプラント以外にも、食品乾燥機などの導入を支援する。高橋代表は「設備を導入するには資金が必要。経営内容を確認し、生産者にあった設備の導入を提案していきたい。また、リンゴチップスを通じて奥州市の魅力を多くの方に発信していければ」と意気込む。