[2024年3月4週号]
【岩手支局】「九条ネギ」を中心にネギを栽培する八幡平市大更の合同会社みのり風土では、国内生産の少ない西洋ネギ「リーキ」を栽培。国産品を求める飲食店に出荷している。
2023年には、県内産ネギで初めて農業生産工程管理(GAP)の一つJGAP認証を取得。販路拡大につなげた。
同社は京都府の伝統野菜・九条ネギを中心に約9・6㌶でネギ3品種を栽培。リーキの栽培は知人のシェフの依頼で18年に始めた。葉が太く、ネギ特有の香りが弱いのが特徴だ。
村上博信代表(49)は「国内生産が少なく輸入品が多いので、国産リーキを求めるホテル内のフランス料理店に出荷している」と話す。加熱で甘みが増すため、ポタージュスープなどに向いているという。
現在は10㌃でリーキを栽培。2月下旬に播種し、10月上旬に収穫する。耐暑・耐寒性に優れているため、寒暖差のある同市で栽培できるという。「太いリーキにするため、1粒播種を行う。株間を広げるため、面積が必要」と村上代表。「今後は需要に応じて面積を増やし、出荷する期間を延ばしたい」と意気込む。
JGAP取得 売り上げ増加
昨年7月に同市内初となるJGAP認証を取得。農業機械を格納する場所を定めたり、飲食・喫煙スペースを分けたりするなどの作業環境の安全性確保のほか、衛生面の維持など多くの審査基準をクリアした。
「当初は作業の効率化が目的だった」と村上代表。安全性の高い作物生産や環境に配慮した農場経営が評価され、大手スーパーと契約を新たに結んだ。JGAP認証の取得で取引先が増え、売り上げ増につながったという。
村上代表は「今後も栽培に力を入れ、八幡平市のネギを全国に知ってもらいたい」と意欲を見せる。