[新聞:岩手版]ミニトマトを極める~「完熟しても緑色」の品種に挑戦~

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

[新聞:岩手版]ミニトマトを極める~「完熟しても緑色」の品種に挑戦~

[2015年09月4週号 岩手版]

八幡平市 江藤 豊さん

「おいしいミニトマトを作りたい」と話す 江藤さん(上)と千葉さん

【八幡平市】「このミニトマトは熟しても緑色のままですが、とっても甘いですよ」と話す八幡平市大更の江藤豊さん(62)は、緑色のミニトマト「ミドリちゃん」をハウス(1・2㌃)で栽培。食味の良さや珍しさから消費者に好評で、収量アップを目指し、仲間と情報交換しながら栽培に励んでいる。

 ハウス10棟(約20㌃)で多種のミニトマト栽培に取り組む江藤さんは、種苗会社の紹介で2年前にミドリちゃんの栽培をスタート。「斑点病に悩まされることが多く、耐病性があることと、果実が緑色という珍しい品種に興味を持った。柔らかくて甘い食味の良さも魅力だ」と話す。  

手に取り果実の柔らかさを 確認する江藤さん

 今年は4月下旬に定植して6月末から収穫を開始。11月上旬までの出荷予定だ。農薬は定植時の置き薬のみ。肥料は米ぬか、籾殻で作ったボカシ堆肥を500㌔、追肥に20㌔使用する。収量は10㌃あたり5~6㌧とのこと。 完熟しても緑色のため収穫期の見極めが難しいが、江藤さんは「少し黄緑色になってきたら収穫のサイン。あとは手に取って実の柔らかさを確認しながら収穫します」と、一つずつ丁寧に確認しながら収穫する。 出荷は雫石町のJA新いわて直売所「花牛米菜」のほか、盛岡市材木町で開催される「材木町よ市」に出店。よ市では自ら販売していて「お客さんの声を直接聞くことができるので勉強になる。喜んでもらえるのがありがたい」と話す。  

 

 

 また、「互いに栽培技術を磨き、情報を交換できる仲間がいるのは心強い」と、栽培仲間とのつながりを大切にしている江藤さん。岩手町葉木田の千葉弘義さん(70)は仲間のひとりで「とにかく江藤さんは一生懸命。ミニトマト作りへの情熱はすごいですよ」と笑顔。定期的に江藤さんの元を訪れては、互いに刺激し合い生産に励んでいる。  今後について江藤さんは「農業は手を掛けた分だけ最後に結果がでる。10㌃あたり10㌧の収量増が目標。6次産業化にも挑戦したい」と意欲を燃やす。(谷村)


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