[新聞:岩手版]実家から経営を独立~消費者の声に応えたい~

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

[新聞:岩手版]実家から経営を独立~消費者の声に応えたい~

[2016年11月1週号 岩手版]

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一つ一つ大事に収穫していく雄一さん

【釜石市】釜石市甲子町でキュウリ栽培に励む菊池雄一さん(30)は就農して6年目。農業を営む実家から昨年独立し、農業経営を始めた雄一さんは、地域農業の将来を担う後継者として注目を集めている。

「近隣農家の高齢化による農地賃借意向の増加を契機に、自身の経営で地域農業を発展させたい」という思いから独立を決意した雄一さんは、青年等就農資金から借入れし、ハウス1棟(約10㌃)を建設。夏季にはキュウリ、冬季にはブロッコリーの栽培を行い、今の時期は冬に向けてブロッコリーの栽培準備を行いながら、実家のキュウリ栽培を手伝っている。

「祖父母や両親がキュウリ作りに取り組む姿を見てきたので、自然と農業を継ぎたいと思った」と、かねてから就農することを決めていた雄一さんは、富山県の農業関係の短大へ進学。卒業後は岡山県の観光農園に4年間勤務し、イチゴやブドウの栽培技術を学び、2011年に帰郷した。

雄一さんは、祖父母や両親と一緒に作業しながら、日々栽培技術を学んでいる。「作物は手をかけないとだめ。作物のことをよく観察することが大切」という父親の教えから、作物の水分管理やハウス内の温度管理など、作物の品質管理にも気を配っている。栽培技術は常に勉強であると考え、家族の教えを実践しながら栽培技術向上に努めている。

雄一さんが最近注目しているのはミツバチによる授粉だ。祖父が始めた養蜂が偶然にもキュウリの受粉につながったことから受粉率がアップし、品質も向上している。また、ミツバチのためにできるだけ農薬を使わないように心がけ、安全・安心なキュウリを栽培している。

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取れたてのキュウリ

キュウリは地元スーパーのほか、市外にも出荷している。消費者からの「おいしかったよ」の声が何よりも励みになるという雄一さんは、自分が作ったものが評価されていることにとてもやりがいを感じている。

今後について雄一さんは「経営の安定化を図りながら、新たな品目にも挑戦し、家族と協力しながら地域農業を支えていきたい」と話す。


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