[2017年10月3週号岩手版]
【二戸市】シイタケやマイタケ、キクラゲなど9種類のキノコを栽培している二戸市浄法寺町の佐藤誠市さん(76)・静子さん(75)夫妻。原木栽培(20㌃)と菌床栽培の両方を手がけ、地元産直へ通年出荷している。産直を通して料亭などから注文を受けることもあり、肉厚で高品質と好評だ。
佐藤さん夫妻は2005年からキノコ栽培に取り組んでいる。「産直を訪れる方は、大きくて立派なキノコを好んで選んでいくよ。数種類を出荷することでお客さんの要望に応えられる」と誠市さん。菌床施設には、高圧殺菌釜、菌を分ける接種室、温度の違う培養室2部屋を使用し、年間約1万2千株を栽培している。
出荷量の安定化を目指しているが、今の課題はハタケシメジだという。「菌が弱いのか、ほかのキノコ菌に負けてしまい、栽培していても3分の1しか収穫できません。培養期間も3カ月とほかのキノコより成長が遅く、雑菌に注意が必要な品種です」
適期作業にも気を使っている。「薬剤をかけることができないキノコは害虫が付かないように気を配ります。大きくさせようと収穫時期を遅らせると虫が付きやすくなるので難しいですね」
これから冬場の時期はマイタケ、アワビタケ、キクラゲを中心に、2月ごろまで菌床施設を利用して栽培する。
静子さんが料理で薦めるのはアワビタケ。「だしが良く出て、郷土食のひっつみなどにとても良いです。天ぷらや湯通ししてドレッシングをかけてサラダにして食べてもおいしいですよ」
主に二人で作業するという誠市さんは「最近は息子に手伝ってもらっていて、少しずつ栽培の仕方を教えていきたいです。体が動けるうちは栽培して、皆さんにおいしいキノコを届けていきたいです」と意欲的だ。