【新聞:岩手版】野菜80品目栽培 消費者の声を大切に

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】野菜80品目栽培 消費者の声を大切に

[2019年8月1週号]

「農業も前職の溶接工も技術職。個人差が出て楽しい」と星さん

 【中部】「消費者の声を大切にしながら野菜を栽培しています」と話すのは、北上市鬼柳町の野菜農家「やさいやねこのて」の星隼人さん(42)。栽培管理を工夫しながら少量多品種の野菜を手がけ、西洋野菜にも挑戦中だ。収穫した野菜は、市内の産直や飲食店などに出荷するほかネット販売にも取り組み、消費者の反応に手応えを感じている。

 星さんは、父親が体調を崩したことをきっかけに溶接工の仕事を辞め、2013年に就農。「米作りだけで生計を立てていくのは先々が不安」と野菜栽培を始めた。

 「体に優しいものを消費者に提供したい」と農薬や化学肥料を使わずに、約40㌃の畑で80品目以上の野菜を栽培する。

 「ほかの人と同じ野菜を栽培してもなかなか買ってもらえない」と星さん。競合を避けて、付加価値を付けるために西洋野菜の栽培にも取り組む。

 「西洋野菜は気候の違いから栽培が難しい。種子によって形のバラつきがありますが、毎年試しています」。さらに、「調理方法が分からず、手に取りにくい消費者もいます。今年は西洋野菜を使用したお弁当を産直で販売する予定です」と話す。

今年はトマトとインゲンマメでコンパニオンプランツを試す

混植で病害虫抑制

 星さんの畑では、作物同士の相性を生かした混植で病害虫を抑え、野菜の成長を助ける「コンパニオンプランツ」を実施する。「害虫回避をするために、昨年はトマトの隣にセロリを植え、今年はトマトの隣にインゲンマメを植えました。根粒菌によるチッ素の配給によるトマトの生育促進を狙っています」

 野菜は、北上市内の産直や飲食店などに出荷する。「ネット販売も行っています。県外から『農薬を使用していない野菜を買いたい』と問い合わせがあります」と星さん。「アレルギーの人からの『今まで食べられなかった野菜を食べることができた』という声がうれしい。今後も続けていきたい」と意気込む。


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