【新聞:岩手版】動画投稿で情報発信売り上げ向上へ

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】動画投稿で情報発信売り上げ向上へ

[2024年3月1週号]

 【宮古】宮古市新里地区でブロッコリーなどの野菜を栽培するVillageFarm新里の久保田智治代表(29)は、2023年10月から動画共有サイト(ユーチューブ)で、農作業の様子や農業に対する思いを発信。撮影と編集は同市在住の動画クリエイターが担当し、情報発信力を強化している。

ブロッコリーの播種方法を説明する久保田代表(右)と撮影する小澤さん

 主力品目はブロッコリーで、春作150㌃、秋作は100㌃作付け。収穫した野菜はJAと産直施設に出荷するほか、インターネット通販サイトに出品する。 

 久保田代表は、自らの農園の野菜が消費者に選ばれるためには、おいしい野菜を生産することに加え、誰が、どのように栽培しているかなど、生産現場を消費者に知ってもらう必要があると考えた。

 写真共有サイト(インスタグラム)での情報発信は20年に始めたが、「インスタグラムの写真と文章では情報量が限られる。生産者が言葉で話した方が消費者に伝わりやすいと感じた」

 これまでの動画では、新里地区の農業の特徴を紹介してきた。動画の撮影と編集は、動画クリエイターの小澤裕也さん(27)が担当。15分の動画制作のために、素材となる動画を30分程度撮影し、3日ほどかけて編集する。

 小澤さんは「映画撮影に使われる6Kカメラで撮影することで、圃場の空気感や野菜の質感を伝えることができる。動画を通して、おいしい野菜が作られる過程や農作業の恰好良さを伝えたい」と話す。 

 動画の企画は久保田代表が作成し、撮影者の視点から小澤さんが助言する。動画撮影を通して、日常的な農作業を言語化することが自身の営農を振り返ることにつながっているという。

 久保田代表は「今後は月1回の投稿が目標。動画をきっかけに自分の作る野菜を消費者の方に知ってほしい。インターネット販売の売り上げ向上にもつなげたい」と話す。


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